2014/04/02

インタビュー和訳:Head Banger(2014.3.22)

10周年記念について触れた最近のインタビューを和訳してみました。取材は3月8日ライブの前に行われたようですね。この日の写真・レビューはこちらから>>2014年3月8日:Volta Club

元記事にはオフショットも公開されています(´▽`)

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掲載サイト:Head Banger
掲載日:2014年3月22日
掲載元:Powerwolf:Not Afraid to Repeat Ourselves
取材日:2014年3月8日
撮影:Natalie “Snakeheart” Patrashova
インタビュアー: Mikhail “IronMike” Shatalin
インタビュイー:Falk Maria Schlegel,Roel van Helden

繰り返すことを恐れない


ジャーマン・メタルの狼男たち,Powerwolfが手にした成功は,全く以て前例がないことと言っても良い。少し前まで,著名なフェスティバルに足を運んだ人々は,化粧を施して十字架を持った風変わりな連中がステージに姿を見せたとき,その強烈なインパクトに目を見張ったものだ。今となっては,彼らはバーのカウンターで隣り合った男性がこのドイツの5人組のファンだと聞いたなら立ち上がって握手を交わすことだろう。ヨーロッパでのライブチケットは至る所で売り切れ,母国には非常に熱烈なファンを獲得し,"Preachers of the Night"は発売後すぐにドイツのMedia Control Chartで1位を記録して輝かしいアルバムとなった - 今やPowerwolfはヘヴィー・メタル界のトップに属しているのだ。バンドがロシアツアーを行うのはこれが2回目で,熱狂した観衆がVolta Clubのステージの前へと集まっている間,我々は最もおしゃべりな「狼」 - キーボード奏者ファルク・マリア・シュレーゲルと,ドラマーのロエル・ヴァン・ヘルデンと共に舞台裏へと向かった。


今日ロシアは記念日なんだけど,何の日だか知ってる?

ファルク:国際女性デー。合ってる?
※NYで女性の参政権を要求するデモが起こったことに由来する日。ロシアでは休日で,男性が女性に花を贈ったりする。

もちろん。今夜集まった女性達のためにサプライズは用意した?

ロエル:多分ね(笑顔)
※この日はライブ中にお花のプレゼントがありました。

昨夜のサンクトペテルブルクでのショーはどうだった?

ファルク:凄かった,本当に素晴らしかった。最初にヘルシンキで演奏して,それからサンクトペテルブルクだったんだ。俺たちは今日のショーに期待してる。チケットは売り切れって聞いたよ。

ロエル:2年前にモスクワに集まったファンはとても熱狂的だった。大きな歓声に包まれたライブは,その後のパーティーも盛り上がったよ。その倍も来てくれた今日のファンが更に熱狂的であるといいね。

メタル・ブレイド・レコーズからナパーム・レコードへ移籍することにしたのは何故?他のレーベルも候補にありましたか?

ファルク:契約中の作品としては最後になった“Blood Of The Saints” をもって,俺たちはメタル・ブレイド・レコーズへの務めを全うしたんだ。それに,以前から「8年経ったら新しいことを始めよう」って話していたしね。寄せられたオファーを調べて,ナパーム・レコードに移籍することを決めたよ。

ロエル:メタル・ブレイドに反抗した,とかじゃないぜ。俺たちは今でも彼らと友達で,仲良くしてる。俺たちが得られた最高のオファーがこの結果だったのさ。

“Preachers Of The Night”のレコーディング過程を一言で表すと何でしょう?また,これまでのアルバムとは違う取り組みはありますか?

ファルク:答えは簡単,だって大きな変化は無いんだから。俺たちは今までと何ら変わっていないよ。“Amen & Attack”は新しいアルバムに向けて最初に書いた曲なんだけど,押しが強く,より重いサウンドになっている。“Preachers Of The Night”は全体的にサウンドが重くなったり,テンポが速くなったりしているけれど,何もかもが新しくなった訳じゃない。

今作のオルガンパートはフランスの教会で録音したようだけど,その教会の司祭は録音の目的を知ってる?

ファルク:そうだね,ちょっと説明が難しいんだけど,俺たちは過去に4回その教会を訪れているんだ。最初に訪れた時は聖歌コーラスを録音するとだけ伝えてあって,自分たちがメタルバンドであることは言っていなくてね。(一同笑い)けれども俺たちが2度,3度,そして4度と訪れていくうちに・・・「構いませんよ,どうぞ許可します」って。

ロエル:最終的に,司祭は俺たちが何者かを知ったよ。彼は俺たちの音楽を気に入ってくれて,今作のオルガンのレコーディングも感謝してくれた。そう,俺たちは新しいファンを得たんだ。

多くのミュージシャンは同じことの繰り返しを避けるために,自身の作品を二度と聴かないという話を耳にしました。あなたはどう?

ロエル:俺たちは自分たちの作品を聴くよ。自分たちがしてきたことを聴いて,次のレコーディングでは,それを更に進歩させようとしているんだ。俺たちは同じことの繰り返しを恐れたりはしない。俺たちはただヘヴィー・メタルを奏でていて,これからもずっとヘヴィー・メタルを演奏し続けていく。少し速く,そしてより激しくなりながらね。ファンの皆は,俺たちが他のスタイルや手段を試していても心配しないでくれ。俺たちはヘヴィー・メタルであり続けるだけだ。

ファルク:全てのアルバムがバンドの歩みにとって重要だ。俺はバンドのファースト・アルバムを決して否定しないし,出来が微妙だなんて絶対に言わないよ。それぞれが家族写真のようで,俺たちの人生を切り取ったようなものでもあるんだ。それはバンドの成長においても同じ。“Lupus Dei”があってこその“Bible of the Beast”であるようにね。

Powerwolfの全てが詰まっている最高の曲だと思う作品はありますか?例えばJudas Priestにとっての“Painkiller”のような。

ファルク:個人的には“Kreuzfeuer”かな。いつもとは違った曲調だけど,俺はこの曲,かなり気に入ってる。ステージで演奏する曲なら“Werewolves Of Armenia”。俺がライブで最高に燃える歌だからね。

ロエル:俺は“Amen & Attack”が好きだな。俺たちの曲の中でもハイテンポに仕上がってるし,ドラムの無い人生は送れないからね。だから気に入っているよ。

あなた方には宗教をテーマにした歌詞が多く,中にはユーモラスに描かれたものもありますね。宗教に対する,あなた個人の考えとは?

ファルク:自分たちが宗教的なバンドであるとは思っていない。俺たちは,第三者的な目線から宗教に関する物事を描いているのだと思う。もちろん,それは俺たちが個人的に信仰しているものでもない。今回のアルバムの中には十字軍の物語があるんだけど,これを描いたからといって,そこに宗教的な熱い信仰心を持ち合わせている訳ではないよ。

ロエル:そういう問題に関しては考えないようにしているんだ。「俺たちはキリスト教徒でもないし,悪魔崇拝者でもない,唯一の宗教はヘヴィー・メタル」って信条を基にね。

“Preachers Of The Night” がドイツのチャートで1位になったことによって,あなたの生活に変化はありましたか?また,このような成功があると予期していた?

ファルク:いいや,全く。生活は殆ど変わりないよ。反対に,このアルバム制作は本当に大変だった。もちろん成功することを願っていたけれど,成功を前もって用意することはできないよね。運営陣が電話をくれて,言ったんだ。「おい!1位になってるぞ!」って。その日はお祭り騒ぎだったよ。しかしながら,チャート入りといった名誉は,ヘヴィー・メタルバンドにとっては重要じゃない。多くのヘヴィー・メタル愛好者には重要なことなんだけれどね。ポップ・ミュージックにおいては普通のことかもしれないけれど,俺たちは主流になろうとは決して思わない。がむしゃらに音楽を奏でて,チャート上位のアルバムをチェックする。メタル全体にとってはこのほうがいいんだ。

アルバムの表紙に描かれている狼は,バンドのマスコットとも言えますね。彼に名前はある?

ファルク:名前?無い!(笑)

ロエル:ハハ,考えないとな(笑顔)Iron Maidenにはエディ,Megadethにはヴィック・ラトルヘッドがいる。次は俺たちが彼に名前を与える番かな。

あなた方の新しいカヴァー曲,Black Sabbathの“Headless Cross” と Judas Priestの“Nightcrawler”がとっても好きです。この曲を選んだのには特別な理由が?

ロエル:メタルの神々を称えるため。Iron Maidenの曲もよかったけれど,既に多くのカヴァーがあるからね。

あなたが音楽を始めるきっかけとなったことは何ですか?

ファルク:俺はIron Maidenが大きなきっかけ。初めて聴いた彼らのレコードは“Piece Of Mind”だったけど,これにはキーボードパートがなかった。何年かして,“Seventh Son of a Seventh Son”を発見したんだ。これが人生を大きく変えたと思う。それからドイツのMonsters of Rockフェスティバルで彼らを見て,俺ははっきりとこう思ったんだ。彼らのようにステージに立ちたいってね。

ロエル:俺は常にヘヴィー・メタルを聴いていたな。いつからだろう・・・そうだな・・・10歳くらいか。いとこがAnthraxやIron Maiden,Metallicaなんかのテープをくれたんだ。その時から,俺には将来が見えていたよ。その時はギターを弾いていたけど,後にドラムが好きになった。ギターよりも,ほんの少しだけドラムのほうが上手くできたんだ。自分が何になりたいかって疑問は全く抱かなかったね。俺にはやりたいことがはっきりと見えていたんだ。

長年にわたる音楽ビジネスの中で学んだ,最も大切な教訓は何ですか?

ファルク:本気になること。そう,これが最も大切なことだと思う。もちろん,努力することも。たとえ色んな成功を得たとしても,いつだってショーや音楽のために運営陣と一緒に嫌になるくらい毎日働かなくちゃいけない。家に帰って「モスクワに行ってきたから,これから休暇にしよう。」とは言えないんだ。俺たちが見据えている次のステップは,いくつかのフェスティバルをこなして,新しい映像を撮影し,そして新しいアルバムの制作に取りかかったりとか・・・その他色々。

ロエル:努力することほど大切なことはないな。

来年はPowerwolfの10周年記念ですね。これに関したイベントを計画していますか?記念DVDや書籍の発表があるんでしょうか?もしくは超大規模なライブが?

ファルク:もちろん,特別なショーが。セットリストはファン投票で決めることになるだろうね。それに,多くの炎を用いた視覚的な要素も盛り込むつもりだよ。

ロエル:ドイツを超えて,色んなフェスティバルでも行うことができたらいいと思っているんだ。例えば,ファンクラブのための特別なキャンプ・エリアを設けることができたら,かなりイイだろ。

ファルク:俺たちの1枚目から4枚目までの過去作を大きなブックレットと一緒にできないかって,メタル・ブレイド・レコーズと交渉しているところなんだ。

ロエル:1冊のブックレットには1枚目と2枚目のアルバムを,そしてもう1冊には3枚目と4枚目のアルバムをセットにする。そうしたら大きなパッケージで再リリースさできるだろう。

ファルク:発表されなかった写真や,バンドによるライナーノーツ,ボーナストラックとかを一緒にしてね。

インタビューに応じてくれて感謝します。最後に読者に対して一言お願いします。

ロエル:このインタビューを読んでくれてありがとう。そしてロシアのショーに足を運んでくれて感謝しているよ。

ファルク:メタルこそが宗教だ!

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